カヤックのアウトリガー作成
バリアフリーツアーに使用するカヤックのアウトリガーを作成。
そこまで大きくなくて大はずなので発泡スチロールで自作。
空気で膨らませるアウトリガーを市販されているが、空気が抜けたら転覆するのだ。
セルフレスキュー用の浮力体も固形タイプが好き。
だって、イザという時に空気が抜けて使い物にならないなんてシャレにならないからだ。
浜に落ちてる漂着物の発泡スチロール、いい感じの大きさのものを拾ってきてスタート。
棒はステンレス、アルミは粘り無く折れそうなので信頼性の高いステンレスで。
見た目より信頼性と耐久性。
まずは浮力と水面からの高さ位置を確認。
なんとまぁ浮力体そのままで位置はバッチリ。
これが上過ぎると空中になるし、下過ぎると水中に入り過ぎて抵抗に。
位置確認完了で次は浮力調査。
アホっぽい体勢ですが、絶対沈しない浮力が欲しいのでチェック。
この浮力体と棒はゴムひもで軽く固定してるだけなので沈めようとすると「ブリンッ!」と回転するのだ。
だからそうなっても良いように構えてるのだが、脇が空きまくっててハイブレイスのダメな例みたい。
とにかく浮力は文句なし。
太鼓型というかダッフルバッグのような形の発泡だったので水の当たりを和らげるために前後に取り付ける発泡を成形。
これは楽しい作業だったが後で痛い目にあう。
タイコ型の発泡と接着。
これでアウトリガーっぽい形になりニンマリ。
棒との取り付け部はすごく悩んだが木で作成。
木は軽く、強く、端材は家にあるし加工しやすい。
少々きつめの穴に棒を刺す式に。
土台の木の板を発砲に埋めたのでかなり強く合体しました。
発砲は崩れるので表面に貼るだけでは剝がれそう、なので発泡を削って掘って埋め込み式。
一体型になったこれらをニスで表面保護。
雪板作製法から工法を流用し、布をニスで貼って固める方式。
繊維を使って強化した樹脂なので広義ではFRPのはず。
しかしこの曲面集合体に苦しむ羽目に・・・笑
ますは凹んでる部分や欠けてる穴に発泡ウレタンを注入、硬化後にカッターナイフで奇麗に切り取り凹凸を無くす。
1本1,000円は切ってましたが1本丸々使用した・・・
上手く使うのは難しいです、噂通り。
でも今後カヤック船体の修理にも使えそうな便利な代物で曲者。
いよいよ布張り。
家に余ってたシーツを使う、下手に生地屋で生地買うよりシーツの方が安い不思議。
強度が欲しいだけなので色は何でも良し。
中の発泡スチロールがバラけなければいいのでホントに何でもいいのだ。
布と発泡をくっつけるかの如くニス塗り。
これがまた・・・
曲面だからすぐシワになるので生地に深い切れ込み入れまくり。
貼るのも大変、塗るのも大変、すぐシワになる・・・
2号機は絶対平面集合体で作ると決め込む。
角があった方が踏ん張りの利く浮力得られるしね、ハードチャインのように。
簡単に作れ、衝撃に強く、耐候性が高いツアー備品が良い。
見た目はその次。
色んな凹凸や線が目立つイマイチの仕上がり。笑
でも耐久性は高いはずだから良いのだ、大事なのは転覆しない事。
で、実際に浮かべてみると発泡を追加した分浮き過ぎる結果に。
水面から水中に押し付けてる感じになってしまった。
無駄な抵抗が多く漕いでて重そう。
でもこれは乗り手の体重が強く関係するので何とも言えない・・・
なので、現地でアウトリガー取付位置の高さ調整できないとダメ。
そしてこんなに棒は長くなくていい、必要以上に安定し過ぎ。
倒したときに棒に掛かる負荷が大きく曲がったりしそう。
結局カヤックにピタッとつける位置でもかなりの安定性。
ちなみに浮力体の大きさは直径20cm×60cmが一番長い所。
これから作る方の参考になれば。
もっと細長いのが良いのは分かってるが、取付けの棒が人間の前後に2本いるので部品点数が多くなり取り付けも時間が掛かるので一本案にしました。
ダブルパドルでの漕ぎやすいスペースを水面に確保となるとアウトリガーの棒2本の前後間隔はかなり長くなり浮力体自体もかなり長いものを作り、保管し、車で運ぶことになるので考えものなのだ。
もともと漕ぎ慣れてないお客さん用の装備になるので抵抗が大きくなるのも問題。
うーん・・・
カヤック船体のすぐそばに沿って装着するタイプ、これが現実的か。
しかし転覆するので車いすユーザーの中でも比較的バランス取れる人向け。
バランス取りずらいけど一人で漕ぎたい人にはもう少し改良が必要。
やはり船体から離れたところに細長い浮力体か。
う~んかなり大掛かりな艤装、持ち運びと保管も考えながら試作してみます。
今回の1号機はとにかく安全性を最優先した装備。
次はもう少し抵抗の少ない浮力体を作ります。
その次にシングルカヤックにプラスアルファの安定性を持たせた、という程度の浮力体を。
お客さん一人一人に対応するアウトリガーの完成は遠い。笑
でも楽しいのだ。
誰かの作成の参考になればどうぞ。
気になることがあればメールで聞いてくださいね。